副作用、という言葉のない未来

副作用それは薬を服用する上で切っても切れないものだ。
風邪薬を飲んで眠くなった、という経験をお持ちの方も少なくないと思う。
中には副作用にて死に至るというケースも残念ながら起こったいるのが現状だ。

薬というものは形態がどうであれ、体に吸収された後には体中にまんべんなく広がっ
てしまう。効かせたい部位だけでなく、その他の関係ない部位に薬が作用してしまう、これが副作用だ。

しかし今、ドラッグデリバリーシステム(略してDDS)と呼ばれる

「薬を効かせたい部位にのみ届ける技術」

が注目されている。


例えとして、ガンの治療薬として実用化されたDDSについて挙げてみよう。
これはがん細胞の構造を利用したDDSである。ガン細胞を正常細胞と比べると、
血管と細胞を隔てる壁の造りが荒いという特徴がある。
なので、血中を流れてきた物質のうち大きな物質も壁の穴を通り抜けて中へはいってしまうのだ。
この特徴を利用し、薬を「血液の中は流れられるけど、正常細胞には吸収されない」
という絶妙なサイズに調節することにより薬の成分をガン細胞にだけ吸収させることが可能となった。

なーんだ、そんなことかと思うことなかれ、薬が正常に血液を流れられるサイズの限
界は4〜400nm、ガン細胞の隙間は200nm、つまりはサイズを200〜400nm
に調節しなければならないのだ。1nmは0.000001mmだから…うーん、とてつ
もなく細かい技術だ。

他にも、まだ研究段階ではあるが、砂鉄を磁石で集めるように薬を操るDDSも考えら
れている。薬に磁性体(磁石の力を持ったもの)をくっつけて投与し、目的の場所に磁
場をかけて薬を集めるというものだ。

このようなDDS技術がさらに進めば「副作用」という言葉がなくなる日が来るかもし
れない。